先日、ある会員さまに建築家の方からお申し込みがありました。
建築家 ?
職業知識のない方は、大工さん ? 設計士さん? という感じで分からないご様子。
そこで、今日は建築家って何 ? の講座です。
そもそも日本の建築士制度は、学歴と実務経験で資格取得の受験資格が与えられます。建築士の制度は、結構厳しく、大学をでても2年の実務経験、若しくは、修士課程を卒業しなければ受験資格さえありません。(一級建築士の場合)
最近は、大学を出ても受験資格を与えられない法改正があり、国土交通省の規定の個別の必須単位を履修しなければ、大学の卒業資格だけでは、受験できません。
これが別の意味で、問題になっている事も事実です。例えば大学独自の教育ができなくなる。あるいは、医療職のように、ほぼ全員か取得する資格と違って、就職してから、一級建築士免許を取得しますので、就職後、一定期間をすぎても取得できない場合、自分の居場所がなくなる、もしくは、昇進などに影響してくるなど。
では、自称建築家とはなんでしようか ? これは欧州の歴史にまで遡る事になります。
日本では、古来から、大工、工匠の歴史と伝統があり、正式に日本に、建築家(アーキテクト)の職能が輸入されたのは、明治になってからです。欧州では、ギリシャ・ローマの時代から、アーキテクトの存在が不可欠であり、神に近い存在として、崇高な職業としての伝統がありました。が、まだこの時代は、技術者の枠を超えておらず、ルネッサンス期以降になると、建築家の名前と建物がセットになって、多数の文献に残るようになりました。フィレンツェ大聖堂 サンタ・マリア・デル・フィオーレのブルネレスキの設計は、特に有名です。
では、建築家・アーキテクトとは、どのような職能でしょうか?
わかりやすく言えば、オーケストラの指揮者のような存在でしょう。
時代・環境・文化・芸術・科学等、最新技術を駆使して、建築物全体をプロデュースします。職人や技術者、各メーカーや関連行政との折衝などを、総合的にまとめます。もっと大きな視点でいえば、都市計画や社会システムの構築にまでその権限は及びます。教会や寺院は、まさに神の領域にまで踏み込む仕事です。
とはいえ、現代では、各国建築家の資格制度があり、日本にも同様、建築士法という法律があります。しかし、根本的に諸外国と違う点は、日本は、技術者資格であり、海外、特に欧米は建築家と技術者資格を明確に分けています。
だから、日本では、建築家というと、極めて法律的にグレーゾーンになります。
例えば、私の親友に東大を卒業後、バークレーで修士を取得し、ミラノ・スイス等の設計事務所で修行をして、38才で日本に帰国しました。海外で、普通に建築家として仕事をしてきた彼は、マリオ・ポッタに絶賛される等、たいへん有能な建築家です。
しかし、日本に戻ると一級建築士免許がなければ、自分の名前で仕事をする事は出来ません。一部の国とでは、二国間協定がありますが、根本的に建築家資格と技術者資格が分かれていない日本では、まだまだの状況です。
建築士法の問題点は、次回に述べるとして、日本には、極めて曖昧な建築関連の資格があります。例えば、インデリアプランナー、インテリアコーディネーター...素人的には、わけがわかりません。
日本で法律的には、建築家という資格はありません。ですので、自薦・他薦・自称の世界なんです。
常識的な見解として、日本若しくは、海外の建築学部、建築学科に在籍・卒業し、すくなくとも10年以上の経験と実績をもち、その国のアーキテクト免許、日本であれば、最低一級建築士の免許をもち、建築物の設計監理を職能とする人で、かつ専業である人、他の利益誘導のない純粋に活動をしている人...、
このような方は、建築家だと思います。
ハウスデザイナーは建築家ではない...という方もいらっしゃいますが、設計監理を専業とする職場であれば、私は建築家で良いと思いますが、皆さんはどのようにお考えですか。
しかし、優秀な建築家ほど、自分を建築家とはよばないのも、面白い傾向ではありますが・・・
過去の新建築での紙面で、関西の建築家、出江 寛が、自分の事を建築家なんておこがましい...はずかしくて、言えないので、人に職業を聞かれると「建築屋」です。。。
と答える、というようなニュアンスのコメントを見た記憶があります。まちがっていたら、ごめんなさい。
巨匠の村野藤吾は、私は商業建築家、だから、施主の言う事は99%聞きます。しかし、1%の村野藤吾の個性が残ります...この言葉も、経験と建築という息の長い仕事の中で生まれた名言と思います。謙遜がよいとは思いませんが...
しかし、某工務店の建築家によるデザイナー住宅...という宣伝。
これ以上怪しくもあり、日本の法整備のや遅れを如実に示す事例はありません。
モラルの問題か、需要者の文化の問題か。
それは、皆さんのご判断で。。
建築家...しかし、すばらしい仕事ですね。
お相手選びは、資格や年収だけではなく、職業背景からのお人柄や個性も大切ですね。
建築家 ?
職業知識のない方は、大工さん ? 設計士さん? という感じで分からないご様子。
そこで、今日は建築家って何 ? の講座です。
そもそも日本の建築士制度は、学歴と実務経験で資格取得の受験資格が与えられます。建築士の制度は、結構厳しく、大学をでても2年の実務経験、若しくは、修士課程を卒業しなければ受験資格さえありません。(一級建築士の場合)
最近は、大学を出ても受験資格を与えられない法改正があり、国土交通省の規定の個別の必須単位を履修しなければ、大学の卒業資格だけでは、受験できません。
これが別の意味で、問題になっている事も事実です。例えば大学独自の教育ができなくなる。あるいは、医療職のように、ほぼ全員か取得する資格と違って、就職してから、一級建築士免許を取得しますので、就職後、一定期間をすぎても取得できない場合、自分の居場所がなくなる、もしくは、昇進などに影響してくるなど。
では、自称建築家とはなんでしようか ? これは欧州の歴史にまで遡る事になります。
日本では、古来から、大工、工匠の歴史と伝統があり、正式に日本に、建築家(アーキテクト)の職能が輸入されたのは、明治になってからです。欧州では、ギリシャ・ローマの時代から、アーキテクトの存在が不可欠であり、神に近い存在として、崇高な職業としての伝統がありました。が、まだこの時代は、技術者の枠を超えておらず、ルネッサンス期以降になると、建築家の名前と建物がセットになって、多数の文献に残るようになりました。フィレンツェ大聖堂 サンタ・マリア・デル・フィオーレのブルネレスキの設計は、特に有名です。
では、建築家・アーキテクトとは、どのような職能でしょうか?
わかりやすく言えば、オーケストラの指揮者のような存在でしょう。
時代・環境・文化・芸術・科学等、最新技術を駆使して、建築物全体をプロデュースします。職人や技術者、各メーカーや関連行政との折衝などを、総合的にまとめます。もっと大きな視点でいえば、都市計画や社会システムの構築にまでその権限は及びます。教会や寺院は、まさに神の領域にまで踏み込む仕事です。
とはいえ、現代では、各国建築家の資格制度があり、日本にも同様、建築士法という法律があります。しかし、根本的に諸外国と違う点は、日本は、技術者資格であり、海外、特に欧米は建築家と技術者資格を明確に分けています。
だから、日本では、建築家というと、極めて法律的にグレーゾーンになります。
例えば、私の親友に東大を卒業後、バークレーで修士を取得し、ミラノ・スイス等の設計事務所で修行をして、38才で日本に帰国しました。海外で、普通に建築家として仕事をしてきた彼は、マリオ・ポッタに絶賛される等、たいへん有能な建築家です。
しかし、日本に戻ると一級建築士免許がなければ、自分の名前で仕事をする事は出来ません。一部の国とでは、二国間協定がありますが、根本的に建築家資格と技術者資格が分かれていない日本では、まだまだの状況です。
建築士法の問題点は、次回に述べるとして、日本には、極めて曖昧な建築関連の資格があります。例えば、インデリアプランナー、インテリアコーディネーター...素人的には、わけがわかりません。
日本で法律的には、建築家という資格はありません。ですので、自薦・他薦・自称の世界なんです。
常識的な見解として、日本若しくは、海外の建築学部、建築学科に在籍・卒業し、すくなくとも10年以上の経験と実績をもち、その国のアーキテクト免許、日本であれば、最低一級建築士の免許をもち、建築物の設計監理を職能とする人で、かつ専業である人、他の利益誘導のない純粋に活動をしている人...、
このような方は、建築家だと思います。
ハウスデザイナーは建築家ではない...という方もいらっしゃいますが、設計監理を専業とする職場であれば、私は建築家で良いと思いますが、皆さんはどのようにお考えですか。
しかし、優秀な建築家ほど、自分を建築家とはよばないのも、面白い傾向ではありますが・・・
過去の新建築での紙面で、関西の建築家、出江 寛が、自分の事を建築家なんておこがましい...はずかしくて、言えないので、人に職業を聞かれると「建築屋」です。。。
と答える、というようなニュアンスのコメントを見た記憶があります。まちがっていたら、ごめんなさい。
巨匠の村野藤吾は、私は商業建築家、だから、施主の言う事は99%聞きます。しかし、1%の村野藤吾の個性が残ります...この言葉も、経験と建築という息の長い仕事の中で生まれた名言と思います。謙遜がよいとは思いませんが...
しかし、某工務店の建築家によるデザイナー住宅...という宣伝。
これ以上怪しくもあり、日本の法整備のや遅れを如実に示す事例はありません。
モラルの問題か、需要者の文化の問題か。
それは、皆さんのご判断で。。
建築家...しかし、すばらしい仕事ですね。
お相手選びは、資格や年収だけではなく、職業背景からのお人柄や個性も大切ですね。
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